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砂漠って聞くと、「一面が砂で、ラクダが歩いていて…」みたいな景色を思い浮かべませんか?
でも実は、砂漠の本質は“砂が多いこと”ではなく、雨が少なくて乾きやすいことなんです。
たとえば、砂が少なくて石や岩が広がっている場所でも、雨がほとんど降らず乾燥が続くなら、それも立派な砂漠に含まれます。
「見た目」よりも、「水が足りない状態が続くかどうか」がポイントなんですね。
しかも砂漠は、たまたま乾いた場所にできるわけじゃなくて、地球規模の空気の流れ(気候)や、山・海の位置(地形)が組み合わさって生まれます。
つまり、同じ地球の上でも「乾きやすい条件がそろう場所」に、砂漠が集中してできやすいということです。
この記事では、難しい言葉はできるだけかみくだきながら、「砂漠ができる理由」をスッと理解できるように整理していきますね。
読み終わるころには、世界地図を見たときに「このへんは砂漠ができそう」と予想できる感覚もつかめるはずです。
砂漠ができる理由とは?まず押さえるべき基本
そもそも「砂漠」とは何かを定義からわかりやすく解説
「砂漠=砂がいっぱいの場所」と思われがちですが、地理でいう砂漠はもっとシンプルで、基本は雨が極端に少ない乾燥地域のことです。
つまり、砂がなくても「雨が少なくて乾く場所」なら砂漠と呼ばれます。
ここでイメージしておきたいのは、砂漠は“景色の名前”ではなく“気候の名前”に近いということ。
たとえば、石が広がる場所でも、岩肌がむき出しの場所でも、雨がほとんど降らず乾燥が続けば砂漠に入ります。
ちなみに「暑い砂漠」だけでなく、寒くて乾燥が続く地域も広い意味で砂漠と呼ばれることがあります。
「砂漠=熱い」も、実はよくある思い込みのひとつです。
だから砂漠には、いわゆる“砂の海”だけでなく、石がゴロゴロした砂漠や、岩肌が広がる砂漠も多いんです。
砂漠ができる本質は「降水量と蒸発量(蒸発散)」の差
砂漠のキーワードは、水の出入りです。
降水量:空から降ってくる水(雨や雪)
蒸発量(蒸発散):地面や植物から空へ戻っていく水
※「蒸発散」は、地面からの蒸発に加えて、植物が水を外へ出す“蒸散”もふくめた考え方です。
乾燥地では植物が少ないとはいえ、日差しや風の影響で、地面から水が失われやすい状況になりがちです。
この2つを比べたときに、ざっくり言うと
降る量 < 乾く量(蒸発散)
この状態が続くと、土地はどんどん乾いていきます。
これが「砂漠ができる」いちばん大事な考え方です。
言い換えるなら、「雨が少ない」だけでなく「乾かす力が強い」こともセット。
同じ降水量でも、気温が高い・風が強い・日差しが強い場所ほど、水は早く失われやすいんですね。
砂漠=砂だらけじゃない?岩石砂漠・礫砂漠が多い理由
意外ですが、世界の砂漠は「砂丘が広がるタイプ」ばかりではありません。
むしろ、広い面積で見ると
礫(れき)砂漠:小石や砂利が多い
岩石砂漠:岩肌が見えている
こういうタイプのほうが多いと言われます。
これは、乾燥地では植物が少なくて土が固定されにくい一方で、風によって細かい砂が飛ばされてしまい、残りやすいのが石や岩だからです。
「軽いものは運ばれ、重いものが残る」と考えるとイメージしやすいです。
また、雨が少ない場所では、土が作られにくかったり、できても流されやすかったりします。
その結果、砂丘が目立つ場所は“砂漠の一部の顔”で、全体としては石や岩の世界が広い、ということが起こります。
「砂漠=砂だけ」は、ちょっともったいない誤解なんですね。
砂漠の「乾燥」を決める指標(年間降水量だけじゃない)
砂漠の話でよく「年間降水量が少ない」と言いますが、実は“それだけ”ではありません。
同じ雨の量でも、気温が高い場所だと蒸発散が多くなるので、より乾きやすいんです。
さらに言うと、雨が降る“降り方”も重要です。
たとえば、年に数回だけドッと降って、あとはカラカラ…だと、土にしみ込む前に蒸発してしまったり、流れてしまったりすることもあります。
「降水量+乾きやすさ+降り方」をセットで見ると、砂漠らしさがより分かりやすくなります。
だから砂漠を考えるときは、
雨がどれくらい降るか
気温が高くてどれくらい乾くか
雲ができやすい空気かどうか
こういうセットで見ると、理解が一気にラクになります。
砂漠はなぜ特定の地域に集中するのか
砂漠は世界中にバラバラにあるようで、実は分布に“かたより”があります。
とくに多いのが、緯度でいうと北緯・南緯20〜30度あたり。
ここは「乾きやすい空気の流れ」が生まれやすい帯で、世界地図を見ても砂漠が帯状に並びやすいのが特徴です。
この理由は、次のパートの「地球規模の空気の流れ(大気循環)」でスッキリ解けます。
地球規模の空気の流れが砂漠を生む理由
ハドレー循環とは何か
地球の空気は、あちこちでランダムに動いているように見えて、実は大きな流れのパターンがあります。
その代表がハドレー循環です。
イメージとしてはこんな感じです。
赤道付近:太陽の熱で空気があたたまり、上にのぼりやすい
上空:のぼった空気が広がって、亜熱帯(20〜30度あたり)へ移動
亜熱帯:空気が冷えて、今度は下におりてくる
この「上がって→移動して→下がる」大きな循環が、砂漠の位置と強く関係します。
亜熱帯高圧帯が乾燥地帯をつくる仕組み
空気がおりてくる場所は、空気が押しつけられるので気圧が高くなりやすいです。
このエリアが「亜熱帯高圧帯」。
ここでは空気が下向きに動くため、雲ができにくくなり、結果として雨が降りにくくなります。
つまり、砂漠が多い緯度帯と一致するのは、
空気が下がる場所=雨が少ない場所
だからなんですね。
下降気流が“雲を作りにくい”のはなぜ?(断熱圧縮をやさしく)
「空気が下がると雨が降らない」って、最初はピンと来にくいですよね。
ポイントは、空気が下がるときに温まりやすいことです。
空気が下へ降りると、周りから押されてギュッと圧縮されます。
すると空気は少し温まり、水蒸気をため込みやすい状態になります。
ため込みやすい=水滴になりにくい
水滴になりにくい=雲ができにくい
雲ができにくい=雨が降りにくい
こうつながります。
世界の砂漠分布と緯度の関係(20〜30度帯に多い理由)
ここまでの話をまとめると、砂漠が20〜30度帯に多いのは、
赤道で上昇した空気が
亜熱帯で下降して
雲を作りにくい乾いた状態になる
この流れが“地球の標準装備”として起こるからです。
サハラ砂漠が典型で、まさに「亜熱帯高圧帯の影響が強い砂漠」です。
偏西風・貿易風が砂漠の位置に関係することもある
さらに、地球には風のベルトのようなものもあります。
代表的なのが
貿易風(赤道寄りで吹きやすい風)
偏西風(中緯度で西→東に吹きやすい風)
こうした風は、水蒸気を運んだり、雲のできやすさに影響したりするので、砂漠の周辺の気候を形づくる要素になります。
ただ、初心者さんはまず「下降気流が雨を減らす」を押さえればOKです。
海流がつくる砂漠|寒流が雨を減らす仕組み
寒流沿岸は「霧は出るのに雨は少ない」って本当?
砂漠は内陸だけじゃなく、海の近くにもあります。
このタイプを理解する鍵が「海流」、とくに寒流です。
寒流が流れる海の上では、海面温度が低くなりやすく、空気も冷えやすくなります。
すると海から蒸発する水蒸気が増えにくく、「雨の材料」がそもそも少なくなりがちです。
その結果、空気は“しっとり”というより“ひんやり”で、雲はできにくいままになりやすいんですね。
もうひとつ大事なのが、寒流の上では空気が安定しやすいこと。
地表付近が冷えていると、空気が上にのびにくくなり、雲が上へ育ちにくい(背が高くなりにくい)状態になりやすいです。
一方で、地表付近だけ冷えて霧が出ることがあり、
「霧は出るのに雨は少ない」みたいな不思議な状況が起こります。
霧や低い雲はできても、それが上へ発達して“しっかりした雨雲”になりにくい、というイメージです。
海岸砂漠が生まれる条件(高圧帯+寒流の組み合わせ)
海岸砂漠は、寒流だけで決まるというより、
亜熱帯高圧帯(下降気流で乾燥しやすい)
寒流(雲が育ちにくい)
風向きや地形
こういう条件が重なると生まれやすいです。
亜熱帯高圧帯があると、上から空気が下りてきて雲ができにくくなります。
そこに寒流が重なると、海の上でも水蒸気が増えにくく、雲が上へ育ちにくい状態が強まります。
さらに、風が海岸線に沿って吹くような地域では、湿った空気が内陸に入りにくくなることもあります。
つまり海岸砂漠は、「乾燥させる要因が重なって強く出た場所」と考えると分かりやすいです。
「海が近いのに乾く」のは、雨雲ができる条件がそろいにくいからなんですね。
代表例:ナミブ砂漠・アタカマ砂漠の“乾き方”の違い
海岸砂漠の有名どころは、
ナミブ砂漠(アフリカ南西部)
アタカマ砂漠(南米西岸)
どちらも「寒流の影響が強い海岸砂漠」です。
ナミブは海岸沿いで霧が出やすい場所があり、雨は少ないのに“霧の水分”が目立つことがあるのが特徴です。
そしてアタカマは、寒流だけでなく山脈の影響も重なり、さらに乾燥が極端になっています(後で詳しく出てきます)。
つまり「海岸砂漠」とひとことで言っても、寒流に加えてどんな条件が重なるかで、乾き方の強さや特徴が変わってくるんです。
地形と位置関係がつくる砂漠の仕組み
内陸性(大陸性)が乾燥を強める理由|海から遠いほど雨が減る
海は水蒸気の供給源です。
だから海から遠い内陸では、そもそも水蒸気が届きにくくなります。
イメージとしては、
海の近く:水蒸気が入りやすい → 雨が降りやすい
内陸:水蒸気が入りにくい → 雨が降りにくい
この「海から遠いほど乾く性質」を内陸性(大陸性)と言います。
砂漠から遠いと雨が減る理由(隔海度)
内陸性と似た考え方として、地理では「隔海度(かくかいど)」という言葉も出てきます。
これは簡単に言うと、
海の影響がどれくらい届く場所か
ということ。
隔海度が高い(=海からの影響が小さい)場所ほど、雨が少なくなりやすいです。
山脈が生む「雨影効果」とは
砂漠ができる要因で、めちゃくちゃ強いのが雨影効果です。
空気は山にぶつかると上にのぼります。
のぼると冷えて雲ができ、風上側で雨が降りやすくなります。
でもそのあと、山を越えた空気は水分を落とした状態で風下へ。
さらに下へ降りると温まり、雲ができにくくなるので、風下側は乾きやすいんです。
つまり、
風上:雨が降る
風下:雨が降りにくい(=乾燥)
これが雨影効果です。
高原・盆地・風下側で乾燥が強まるパターン
雨影効果とセットで覚えたいのが、地形の“クセ”です。
山脈の風下
高原の内側
盆地の奥
こういう場所は、水蒸気が入りにくかったり、空気が乾きやすかったりして、乾燥が強まりやすいことがあります。
「砂漠は地形でも作られる」っていうのが、ここでのポイントです。
砂漠のタイプ別まとめ|「なぜ乾くか」で分類すると理解が速い
ここまで出てきた理由を、いったん整理しておくと頭の中がスッキリします。
砂漠は「どの乾燥スイッチが強いか」でタイプ分けできます。
ここでのコツは、砂漠を“景色”で覚えるのではなく、乾燥の原因(しくみ)で覚えること。
原因が分かると、知らない砂漠名が出てきても「たぶんこのタイプかな?」と推理できるようになります。
亜熱帯高圧帯型(下降気流で乾く)
いちばん王道のタイプ。
下降気流で雲ができにくく、雨が少ない砂漠です。
「空気が下がる=乾きやすい」を思い出せればOK。
例:サハラ砂漠 など
内陸型(海の水蒸気が届きにくい)
海から遠く、水蒸気がそもそも足りないタイプ。
水の材料(=水蒸気)が届きにくいので、雨が降るチャンス自体が少なくなります。
例:ゴビ砂漠 など(条件が複合することも多いです)
雨影型(山脈が雨を止める)
山脈の風下で乾燥が強くなるタイプ。
風上で雨を落としてしまった空気が、風下に来るころには“カラカラ”になっているイメージです。
例:タクラマカン砂漠 など
海岸(寒流)型(霧は出るが雨になりにくい)
寒流+高圧帯などが重なり、海の近くでも乾くタイプ。
海が近いのに雨が少ないのは、「水蒸気が増えにくい」「雲が育ちにくい」条件がそろっているからです。
例:ナミブ砂漠、アタカマ砂漠 など
この分類ができると、具体例が“暗記”じゃなく“納得”になります。
さらに、現実の砂漠はこの4つのうち1つだけで決まるとは限らず、複数の要因が重なるほど乾燥が強まることも多いです。
代表的な砂漠から見る具体例
サハラ砂漠ができた理由(亜熱帯高圧帯+大陸規模)
サハラ砂漠は、砂漠の王道パターンです。
緯度20〜30度帯にあり、亜熱帯高圧帯の影響で下降気流が強く、雲ができにくい。
さらに大陸規模が大きいので、内陸性の要素も入りやすく、乾燥が広く続きます。
ここで押さえておくと分かりやすいのは、サハラは「下降気流で雨が少ない」だけでなく、広い大陸の中心に近いぶん、湿った空気が届きにくいエリアも生まれやすいことです。
つまり、高圧帯の乾燥+大陸規模の乾燥が重なって、規模の大きな砂漠になりやすいイメージです。
ゴビ砂漠とタクラマカン砂漠の特徴(内陸+山脈+雨影)
アジアの内陸側にある砂漠は、理由が“複合型”になりやすいです。
海から遠い(内陸性)
周囲に山脈がある(雨影効果)
これが重なると、雨が届かず乾燥が固定されやすくなります。
さらに言うと、山脈は「水蒸気の通り道」をふさぐ壁のような役割をすることがあります。
湿った空気が山にぶつかって風上側で雨を落とすと、風下側に残るのは水分の少ない空気です。
その空気が内陸に流れ込むと、乾燥が長く続きやすくなります。
ゴビ砂漠は広域の内陸乾燥、
タクラマカン砂漠は周囲の山脈に囲まれた雨影の要素が強い、
というイメージで押さえると理解しやすいです。
「ゴビ=広く乾く」「タクラマカン=囲まれて乾く」と覚えるのもひとつの手です。
アタカマ砂漠が極端に乾燥する理由(寒流+山脈+高圧帯)
アタカマ砂漠が有名なのは、世界でもトップクラスに雨が少ない地域があるからです。
これは「乾燥スイッチ」が重なっているため。
海側:寒流で雲が育ちにくい
上空:高圧帯の下降気流で雲ができにくい
内陸側:山脈(アンデス山脈など)で雨が遮られやすい
こうして“雨の入り口”が何重にも閉じてしまうイメージです。
言い換えるなら、海からも上空からも内陸からも、雨になりやすい条件が作られにくい状態。
「海が近いのに乾く」という点で、寒流型の砂漠の特徴がよく表れています。
同じ砂漠でも場所で違う?サハラの地域差を簡単にイメージ
砂漠は広いので、場所によって
砂丘が多い
石が多い
風が強い
霧が出やすい
など、見た目や気候が変わることがあります。
これは、風の強さや地面の材料(砂・小石・岩)、海からの距離などが少し変わるだけでも、砂漠の“表情”が変わるからです。
たとえば、風が強くて細かい砂が集まりやすい場所では砂丘ができやすく、逆に砂が飛ばされやすい場所では石や岩が目立ちやすくなります。
「砂漠=同じ景色が続く」ではなく、条件の違いで表情が変わる。
この視点があると、地理がぐっと面白くなります。
「自然の砂漠」と「砂漠化」の違い
自然に形成される砂漠とは
ここまで説明してきた砂漠は、地球規模の気候や地形によって、長い時間をかけて自然に形成されたものです。
つまり「もともと乾燥しやすい場所にできた砂漠」です。
ポイントは、最初から「雨が少ない」「乾かす力が強い」条件がそろっていて、そこに長い年月が重なって砂漠の環境ができあがっていること。
自然の砂漠は、気候のしくみや地形が変わらない限り、急に場所が変わるものではありません。
砂漠化とは何か(乾燥地の土地劣化)
一方で「砂漠化」は、もともと砂漠ではなかった場所が、乾燥の影響を受けやすくなって土地の状態が悪くなることを指します。
ここで大事なのは、砂漠化は“砂が広がる”というより、土地が弱ってしまうイメージに近いことです。
乾燥しやすい地域は、ちょっとした環境の変化でバランスが崩れやすいことがあります。
その結果、植物が育ちにくくなったり、土が守られにくくなったりして、土地の回復力が落ちていきます。
砂漠化は「砂が増えること」ではない(植生と土壌の劣化)
砂漠化の話でよくある誤解が、「砂が増えて砂漠になる」こと。
でも実際は、
植物が減る
土が流れやすくなる
土の中に水がたまりにくくなる
こうした変化が重なって、土地が回復しにくくなることがポイントです。
植物が減ると、地面がむき出しになり、風や雨で土が飛ばされたり流されたりしやすくなります。
すると土の栄養や水を保つ力が弱まり、さらに植物が育ちにくくなる…という悪循環に入りやすいんですね。
両者を混同しないためのポイント(原因・場所・時間スケール)
整理すると、こんな違いです。
自然の砂漠:気候・地形が原因(長い時間で形成)
砂漠化:土地の状態が悪くなる(比較的短い時間で進むことも)
同じ「乾燥」に見えても、話のスケールが違うんですね。
自然の砂漠は「どこが乾きやすいか」という地球のしくみの話。
砂漠化は「土地が弱っていくプロセス」の話、と分けて考えると整理しやすいです。
なぜ砂漠化が進むのか
過放牧・過伐採・過耕作の影響
乾燥しやすい地域では、植物が減ると土地が一気に弱くなります。
植物はただ生えているだけではなく、土を押さえたり、日差しや風から地表を守ったりする“フタ”のような役割もあるんですね。
たとえば、
家畜が草を食べすぎて地面がむき出しになる(過放牧)
木を切りすぎて土を支えられなくなる(過伐採)
同じ畑を使い続けて地力が落ちる(過耕作)
こういった要因が重なると、土が風や雨で流れやすくなります。
特に乾燥地では、いったん表面の土が飛ばされると回復に時間がかかりやすく、植物が戻りにくい状態になりやすいのが厳しいポイントです。
気候変動と干ばつの関係(影響の可能性として捉える)
近年は「雨の降り方の変化」や「干ばつが起こりやすくなる可能性」も話題になります。
もし雨の間隔が空きやすくなったり、降っても短時間に集中しやすくなったりすると、植物が育つ条件がさらに厳しくなることがあります。
ただ、地域によって影響の出方は違うので、ここは
「影響する可能性がある」「関連が指摘されている」
のように、断定しすぎずに理解するのが安心です。
気候そのものの変化と、人の土地利用のしかたが重なると、砂漠化の進み方が加速するケースもある…という整理をしておくと分かりやすいです。
土地劣化が進むメカニズム(植生→土壌→保水力の低下)
砂漠化は、いきなり起きるというより段階があります。
植物が減る
地表がむき出しになる
土が流される/固くなる
水がしみ込みにくくなる(保水力が下がる)
さらに植物が育ちにくくなる
一度このループに入ると、回復に時間がかかることもあります。
しかも、土が固くなると雨が降っても地中に入りにくく、表面を流れてしまいやすいので、土の流出がさらに進むことがあります。
「植物が減る→水がしみ込みにくい→さらに植物が減る」という悪循環が起きやすいんですね。
砂漠化を防ぐための取り組み例(管理・回復・技術)
砂漠化の対策は、「自然を戻す」というより、土地を弱らせない使い方をするのが中心です。
ポイントは、植物と土が“守られる状態”をできるだけ保つこと。
牧草地の管理(使いすぎない)
植林や防風林で土を守る
水の使い方を工夫する(地域に合った方法)
こうした工夫で、土地の状態を保ちやすくなります。
また、植生を回復させる取り組みは一気に進むというより、少しずつ土の状態を戻していくイメージなので、長期的に続けることが大切になります。
砂漠発生の背景を理解する意義
地理学的視点から見た重要性
砂漠ができる理由を知ると、地図の見え方が変わります。
「ここは乾燥しそう」と予想できるようになると、地理が暗記じゃなく“理解”になります。
さらに、砂漠ができる場所には共通点があるので、世界の気候帯や風の流れをセットで覚えやすくなります。
単語を丸暗記するよりも、仕組みからたどれるようになると、初見の地域でも「なぜそうなるか」を説明しやすくなるのが強みです。
環境問題を正しく理解するために
砂漠化の話は、ニュースでもよく出てきます。
でも「砂漠」と「砂漠化」を混同すると、原因も対策もズレてしまいます。
仕組みから理解しておくと、情報を落ち着いて整理しやすくなります。
たとえば、自然の砂漠は気候や地形の話が中心ですが、砂漠化は土地の使い方や管理の話が中心になりやすいです。
同じ「乾燥」という言葉が出てきても、何が原因で、どんな対策が考えられるのかを切り分けて捉えることで、話のポイントが見失いにくくなります。
学習・受験対策として押さえるポイント(頻出語まとめ)
最後に、よく出てくる言葉をまとめます。
ハドレー循環
亜熱帯高圧帯
下降気流
雨影効果
内陸性(大陸性)
寒流(海岸砂漠)
このあたりを「言葉だけ」じゃなく、理由ごとイメージできれば強いです。
できれば「どのタイプの乾燥スイッチか(高圧帯/内陸/雨影/寒流)」まで結びつけて覚えると、記述問題でも説明が組み立てやすくなります。
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よくある質問(FAQ)
砂漠の基準は?降水量は何mm以下?
目安として「年間降水量がとても少ない地域」が砂漠とされますが、厳密な線引きは資料によって幅があります。
初心者さんはまず、雨が少なくて乾燥が続く地域=砂漠という理解でOKです。
また、雨の量が同じでも気温が高いと乾きやすい点もセットで覚えると安心です。
砂漠はなぜ緯度20〜30度に多い?
亜熱帯高圧帯で空気が下がり、雲ができにくくなるからです。
「下降気流=雨が少ない」のイメージが持てると、一発でつながります。
日本に砂漠はある?鳥取砂丘は砂漠?
鳥取砂丘は“砂漠”というより、海岸の砂が風で集まってできた「砂丘」です。
砂がある=砂漠、ではないので、ここは混同しやすいポイントです。
砂漠は昔から同じ場所?移動することはある?
砂漠の大きな分布は、気候のしくみに左右されるので、基本は急に変わりません。
ただ、長い時間で気候が変わったり、土地の状態が変化したりすると、乾燥の範囲が広がったり縮んだりすることはあります。
砂漠に植物や人が住める理由は?
砂漠でも、川の近くや地下水がある場所には暮らしが成り立ちます。
植物も、少ない水で生きられる工夫(葉を小さくする、根を深くするなど)を持つ種類がいます。
「何もない場所」ではなく、“条件が厳しいけど工夫で生きられる場所”と考えるとイメージしやすいです。
まとめ
砂漠ができる理由は「大気循環・海流・地形・内陸性」の組み合わせ
砂漠ができる理由は、ひとつだけではありません。
地球規模の空気の流れ(亜熱帯高圧帯)に加えて、寒流や内陸性、山脈による雨影効果などが重なることで、乾燥が強まります。
とくに覚えておきたいのは、「雨が少ない」だけでなく「乾かす力が強い」条件がそろうと、砂漠ができやすいということ。
原因をセットで捉えられるようになると、世界地図を見たときに砂漠の分布が“納得できる形”に見えてきます。
砂漠と砂漠化は別もの|混同せずに理解しよう
砂漠は、気候と地形によって自然に形成される乾燥地域。
砂漠化は、土地が弱って回復しにくくなる変化。
同じ「乾燥」に見えても意味が違うので、分けて理解するとスッキリします。
ニュースや学習では「砂漠」「砂漠化」が一緒に出てきやすいですが、原因と対策がズレないように切り分けるのが大切です。
自然の砂漠は“しくみ”を理解する話、砂漠化は“土地の状態”を守る話、と整理しておくと覚えやすくなります。

